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そろって科学館賞!「貝」に魅了された上越市の姉弟

そろって科学館賞!「貝」に魅了された上越市の姉弟

貝殻の標本づくりを通して気候の変化や土地の特徴などを調べている、上越市の小中学生の姉弟がいます。今年、市内の標本作品展で2人そろって最高賞の「科学館賞」を受賞しました。これまで集めた数は数万個になるということです。年間を通して貝を拾い集める2人と一緒に海へ出かけました。

海岸で貝を集めているのは、上越市立直江津東中学校1年生の樋口さくらさんと、春日新田小学校5年生の弟・葵人さんです。

さくらさんは幼稚園に通っていたころ、科学館の標本展で小さな貝を見て一目惚れしました。

さくらさん
「小さくて丸まるしている、かわいい貝が好き。図鑑で調べたりいろいろ拾ってもまだまだ分からないものがあり、それを見つけるのが楽しい」

2020年 貝を拾う2人 (家族提供)

葵人さんは、姉の影響で物心ついた頃から貝に興味を持つようになりました。2人は柿崎や寺泊など、県内の海岸で貝を夢中で集めてきました。

小学生になると拾える貝が場所や季節によって違うことなどに気づき、夏休みの自由研究として調べるようになります。

今年、さくらさんは小さな貝、大きさ1センチ以下の「微小貝」を日本海側の柿崎と太平洋側の神奈川県由比ヶ浜で拾い、種類や数を比べました。その結果、由比ヶ浜の方が種類も数も多いことが分かりました。

さくらさん
「毎年、不思議に思うことをテーマにしている。日本海側と太平洋側の貝が全て違うことを不思議に思った。(柿崎は)砂粒が大きいから、薄い貝があがりにくい」

また、葵人さんは、柿崎の貝の種類から海水温が上がっている影響を調べました。その結果、これまでよりも暖流系の貝が多く流れ着いていることに気づきました。

弟・葵人さん
「昔は大量漂着があまりなかったが、最近は『カメガイ』が大量に。去年もいろいろな貝があって変だなと思った。海水温が上昇したことで発生していると思う」

2人は研究結果を市内の小中学生を対象にした「標本作品展」に出展し、2人そろって最高賞の「科学館賞」を受賞しました。姉弟で最高賞をとるのは、40年以上続く作品展の中で初めての快挙です。

11月中旬、2人の姿が柿崎の海岸にありました。


葵人さん
「冬は波が荒いので、小さい貝は流されてしまう。今は大きい貝が増え始めている。大きい『ネジガイ』がきょうのお気に入りで、きれいで大きいのは年に1個か2個しかない」

拾い始めて1時間半、形も色も様々の貝が容器いっぱいに集まりました。

家に持ち帰り、洗って乾かして、図鑑を見ながら種類を調べます。さくらさんが好きな小さな貝は、顕微鏡を使わないと形や模様が見えません。

さくらさん
「袋に砂を入れてきて、ピンセットで探して同定する。顕微鏡などで見た瞬間は『わお』と驚きがある」

2人は来年も研究を続け、冷たい風吹く冬も、砂浜が焼けるように熱くなる夏も、毎月2回ほど柿崎の海に通い貝を集めます。

今後の目標は…?

さくらさん
「成貝で1センチ以下を本当の微小貝と呼ぶ。それがどれくらいあるかをもっと調べたい。砂粒が小さいと小さく、大きいと大きい微小貝があがる。柿崎の貝などをたくさん調べて貝についてもっと詳しくなりたい」

葵人さん
「中身が残っている貝を中心に集め、近くの海に生息している貝を調べたい。遠くから流れてきたら中身が流されることが多いが、生息範囲ではない貝が中身ありで漂着していれば、海水温の上昇していることが原因なのではないかと思う。これからも2人で貝をたくさん拾い続けたい」

 

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