2025年12月9日
2025年12月9日 11:49更新
上越市出身の児童文学作家、小川未明とゆかりのある春日山神社で、未明がかつて使っていたとされる井戸と、劣化が進んでいた未明の代表作をモチーフにした人魚像が復元されました。

これが復元された春日山神社の井戸です。

春日山神社 風間常樹彦 宮司
「ここは未明がいた時の台所。井戸があって、かまどが3つあった」

春日山神社は、今から120年ほど前の1901年(明治34年)に小川未明の父、澄晴が山形県米沢市の上杉神社から分霊を受けて創建しました。一家は、春日山神社の敷地に移り住み、未明は15歳から20歳頃までこの地で過ごしたとされています。

春日山神社の風間常樹彦宮司によりますと、水道用水の供給が始まり、この井戸は40年以上使われていなかったということです。
春日山神社 風間常樹彦 宮司
「今年は渇水で水不足だった。井戸がどんな形で残っているか調べてみたかった。中を見たら創建から125年経っていても崩れていなくて、きれいな水が残っていた。水として使えると感じた」

提供:春日山神社
井戸の深さは11メートルあります。6月初旬から2か月ほどかけて工事が行われ、水をくみ上げるポンプが設置されました。

水質検査の結果、飲み水としては使用できませんが、風間宮司は希望する人には無料で提供したいと話しています。

春日山神社 風間常樹彦 宮司
「未明ファンはたくさんいる。未明が飲んだ水、復活できればありがたいと。いつでも、皆さんに差し上げるつもりなので
ご覧いただければと思う」

あわせて境内では、未明の代表作「赤い蝋燭と人魚」に登場する人魚像の修復も行われました。人魚像は1972年(昭和47年)、当時上越市内で教員をしていた横尾 昭司さんが制作しました。

春日山神社 風間常樹彦 宮司
「いろいろなところが傷んできた、中の鉄筋がでたり、コンクリートが欠けた。未明作品の原点のようなところなので、この像を大事にしたいと思った」

復元は妙高市出身の彫刻家、古川 敏郎 さんが手掛け、作品をイメージしやすいよう新たに赤いろうそくが建てられました。

風間宮司は「春日山神社には年間30万人の観光客が来る。境内には小川未明の詩『雲の如く』が刻まれた石碑などもあるのでぜひ見てほしい」と話しています。
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