2025年7月21日
2025年7月21日 4:00更新
今年の春、直江津港の佐渡汽船ターミナルに、通信制高校のサポート校「ライトシップ高等学院」が開校しました。生徒たちは、活動の拠点となる港周辺のにぎわいにつなげるため、新たなビジネスを立ち上げようとしています。地域の活性化のために何が必要で、どうすれば「仕事」になるのか。試行錯誤しながら取り組んでいるイベントの様子を取材しました。
ライトシップ高等学院は、直江津港佐渡汽船ターミナルを拠点にオンラインで授業を受けながら、地元企業で働いて、地域おこしを実践する学校です。ことし4月に入学した1期生は、地域の課題をビジネスで解決する方法を学んでいて、港周辺のにぎわいにつなげる事業を来年度以降立ち上げようとしています。
そこで今年度は、事業のニーズを探るためにイベントを行うことになりました。内容は、カフェの運営や子ども向けの遊び場づくりなどです。
初日の13日(日)、ターミナル内で開かれたのは、「カフェ」です。提供しているのは地元の菓子店がかつて町内のイベントなどで販売していた焼き菓子で、新潟名物「ぽっぽ焼き」の生地を鉄板で丸型に焼いたものです。生徒たちは佐渡金山にちなんで「小判焼き」と名付け、小判の形にしました。
生地を焼く機械は、町内会から譲り受けました。
町内の人
「昔、小学校の文化祭で食べたことがある。町内の菓子店に機械が置いてあり、町内会の人などが作ってくれた。機械を見るのも懐かしい」
1人で何十個も買う人も多くいましたが、譲ってもらった機械では一度に12個しか焼けないため待ち時間が発生してしまいます。生徒は今後、ターミナル内の空きスペースを活用して常設店を運営することを目指し、課題の解決方法を考えています。
生徒
「思ったより焼けず、回転は少し悪い。まずは焼く機械を大きくして、一度に何個も焼けるようにしたい」
一方、ターミナルの駐車場の横にある港湾関係者の給油所を借りて行われていたのは、洗車です。自動車会社で働いている生徒が、手で洗う方法や使う洗剤についてほかの生徒に教え、練習してきました。
利用した人
「ちょうど車が汚れていたのでありがたい」
「1人ではなく大人数でやってもらい、新車のようにきれいになるのでは」
初日は、1台の洗車にかかった時間は、6人がかりでおよそ8分でした。お客さんに喜んでもらえた一方で、価格やサービスなどビジネスにするための課題が浮き彫りになりました。
生徒
「1時間で4台の見積もりだったが、倍の台数が来て驚き。もっとお客さんが喜ぶような、車内清掃なども取り入れたい」
ライトシップ高等学院 松本将史 学院長
「今回はお試しでこの価格だが、きょうの収支を見ると『このもうけで、この疲労感と利益か』と思うはず。そこからどう付加価値をつけていくか考えるのが勉強。一過性で終わらない事業にしていかなければならない」
気付きを生かし、本格的な事業化へ。新しくできた学校は、町おこしのビジネスで地域に新たな風を吹かせます。
次回のイベント情報などは、ライトシップ高等学院のホームページをご確認ください。
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