2025年6月4日
2025年6月2日 17:54更新
かつて上越市三和区の池に群生していた絶滅危惧種、オニバスを復活させようと、地元の市民団体などが種を発芽させる活動を進めています。今年も種を池に移植させるための準備が本格的に始まりました。
オニバスの復活に取り組んでいるのは、地元の環境保全団体「三和の自然と地域を育む会」、「新潟県生態研究会」、そして三和中学校の生徒です。4年前から協力し、かつて群生していた 谷内池で花を咲かせることを目指しています。
2日(月)は発芽させた種をポットに移す作業をしました。種は500個ほどあり順調に発芽しています。すでに小さい葉を広げているものもあります。
オニバスはスイレン科の植物で、新潟県が北限とされています。群生していた谷内池ではハスやジュンサイなどほかの植物が増えたのに伴い数が減って、14年前の2011年を最後に花が咲かなくなりました。
そこで、育む会などでは池の底から拾い上げた種を人工的に発芽させ、使わなくなった中学校のプールなどで育てました。その結果、3年連続で花を咲かせることに成功しました。一方で、谷内池にも種を移して開花を目指しましたが成功していません。
新潟県生態研究会 藤本孝昭会長
「害虫のネクイハムシが葉や根を食べている。プールでは薬剤でコントロールできるが、谷内池は自然の状態なのでコントロールできていない。今年はある程度成長し丈夫になってから移植してみる」
オニバスの種は10年過ぎても発芽します。プールサイドの容器にはおととし撒いた種も次々と発芽していて、大きくなってから去年の分と合わせて谷内池に移すことになっています。
また、2日はその谷内池でオニバスの生育を妨げるハスやジュンサイを取り除く作業が行なわれ、移植に向けた準備が進んでいます。
新潟県生態研究会 藤本孝昭会長
「もともと谷内池で咲いていたものを谷内池で咲かせることが大事。プールは試験的な栽培。本格的に自然の状態で咲くことに意味がある。まさに復活です。」と期待をふくらませていました。
プールなどで育てているオニバスの花は順調にいけば9月上旬に咲くと見られています。プールでオニバスが咲いたときは、地域の人たちが大喜びしたということです。今年も発芽した種を谷内池に移すことにしていて、池での開花を心待ちにしている人も多いということです。
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