2026年2月20日
2026年2月21日 12:00更新
近年よく耳にする宿泊施設の一棟貸し。でも、今回紹介するのは一棟貸しではなく「一村貸し」です。 集落をまるごと貸し切りにした、大胆でユニークな宿が今年1月に糸魚川市に誕生しました。
一村貸しをしているのは、糸魚川市の山間地にある市野々(いちのの)という集落です。築200年以上の古民家を活用した「宿屋 堂道(どうみち)」です。
堂道がある市野々は糸魚川市の市街地からおよそ20キロ、標高400メートルほどの場所にある集落です。
棚田が広がる自然豊かな集落ですが、冬は多い時で積雪が5メートルを超える豪雪地で、現在通年で暮らす住民は1世帯2人です。
集落をまるごと貸し切って楽しんでほしいという珍しいコンセプトの宿を始めたのは、株式会社伝燈の永田伊吹さん(30)です。
永田さんは愛知県豊橋市出身の建築家で、2023年に地域おこし協力隊として糸魚川市に移住し、任期が終了した今年1月まで地域で活動してきました。その活動のなかで市野々集落と出会いました。過疎化で住む人がいなくなり、築200年以上の古民家が無くなっていく姿を目の当たりにし、建築家としてこの貴重な建物や集落を守りたいと、今回のアイデアを思いつきました。
今から1年半前に準備をスタートし、築200年以上の古民家を宿泊施設としてリノベーション。2024年の年末に完成しました。
建物の基礎は200年以上前のものでしたが、これまでの住人が生活しやすいように改修した部分がありました。永田さんによりますと、今回のリノベーションはキッチンや風呂、トイレといった最低限の部分を現代的に作り替えた以外は、200年前に建てられた当時の姿に戻す作業が中心でした。
囲炉裏がある広間、6畳と3畳の和室、土間のキッチン、そして縁側と、昔懐かしい風景を残した静かで過ごしやすい空間に仕上がりました。ちなみに「堂道」という宿名は、以前この古民家に住んでいた家族の屋号から付けられました。
すでに貸出は始まっていて、「一村貸し」というコンセプトにふさわしく、集落全体を使ったさまざまなアクティビティを用意しています。
集落散策や焚火、草刈りなど、通年で体験できるものから、田植えや流しそうめん、稲刈り、かまくらづくりといった季節限定のものまで、この地域で当たり前のように暮らしの中で行われてきたことをアクティビティとして提案しています。
予約時に、滞在しながらどのように過ごしたいか要望を聞き、それに応じた提案をしてくれます。施設には伝承人と呼ばれるスタッフがいて、それぞれの体験をサポートしてくれます。
施設は夕食と朝食付きです。集落で採れた棚田米や地元野菜、近くの山で採れた山菜やキノコ、日本海で獲れた魚介類、湧き水など、地元の旬の恵みを用意してくれます。料理は提供されるのではなく、宿泊者自身が伝承人や地域の人たちと一緒に調理を楽しむ仕組みです。
令和7年4月頃からプレオープンとして宿泊者を受け入れており、これまで地元や首都圏の人たちはもちろん、アイスランドやオーストリア、アメリカなど外国人も宿泊し、一村貸しのさまざまなアクティビティを楽しんでいます。すでにリピートの予約も入っているということです。
施設の利用は1日1組限定で、定員は8名ですが1名から宿泊できます。料金は基本料金2万3000円(税別)に、1人につき1泊(夕食・朝食付き)1万4000円(税別)が加算されます。予約はホームページで受け付けています。
株式会社伝燈 永田伊吹さん
「一村貸しというコンセプトの宿泊施設は、おそらく国内でほかにないと思います。一般の宿泊施設と違い、こちらは宿泊したら終わりではなく、縁を大切にしたおもてなしを心がけているため、また来たいというお客様の声も多く、すでに多くの方にリピートしていただいています。訪れていただければ、この施設の素晴らしさがわかっていただけると思います。ぜひ一度ご利用ください」
宿屋 常道(どうみち)
■住所:新潟県糸魚川市市野々792
■電話:TEL090-9294-9187(永田)
■Eメール:dentou.jp@gmail.com
■チェックイン:15:00、チェックアウト:11:00
■定員:8名
■アクセス:
〈電車の場合〉糸魚川駅下車⇒ 車で30~40分ほど
※糸魚川駅からの車送迎も対応します
〈車の場合〉北陸自動車道 糸魚川ICから約25分
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