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上越妙高駅開業10周年 直江津駅前の変化「地域の結束力」高める

3月14日、上越妙高駅が開業してから10周年を迎えました。北陸新幹線で首都圏や関西方面と行き来できるようになった一方で、越後湯沢と金沢方面を結んでいた北越急行ほくほく線の特急「はくたか」が廃止されました。これに伴い特急の停車駅になっていた直江津駅から電車に乗った人の数が1割ほど減りました。直江津駅前商店街では、にぎわいが失われるという危機感が高まるなか、地元の住民やえちごトキめき鉄道など協力して新しいイベントを開くなど、「地域の結束力」を高めたまちづくりに取り組んでいます。

直江津駅前商店街振興組合 重原稔 専務理事
「来る人がかなり減る。危機感を抱いていた」

長野と金沢を結ぶ北陸新幹線の開業に伴い、JRと北越急行が運行していた特急「はくたか」が廃止されました。「はくたか」は上越新幹線が走る越後湯沢と金沢方面を結んでいました。直江津駅は上越市内で唯一「はくたか」が止まる場所で、関東や関西方面に向かう人の玄関口になっていました。

JR東日本によりますと、「はくたか」が廃止される前の2014年度、直江津駅から電車に乗った人の数はおよそ95万人でした。廃止された翌年の2015年度は、およそ85万人で1割ほど減りました。直江津駅前商店街は大きな影響を受けました。

直江津駅前商店街振興組合 重原稔 専務理事
「駅から出てくる人が少なくなった。駅の利用者が減少したという印象があった。北陸新幹線の延伸、ルートが決まった時に半分諦める感じがあった。直江津らしくいろいろな人に喜んでもらえるまちづくりをしたい」

この危機を乗り越えようと商店街で掲げたのが「地域との結束」です。北陸新幹線の開業で在来線の経営を引き継いだえちごトキめき鉄道とともに、毎年鉄道まつりを開催しています。まつりでは商店街を巡ってもらうようスタンプラリーを企画したり、駅前通りの広場を活用して市を開いたりして工夫を凝らしました。

また直江津地区を会場にした「なおえつうみまちアート」では、運営を3年前から住民主体の実行委員会が引き継ぎ、町内会と連携したり、地元園児の絵を直江津駅の自由通路や図書館に貼ったりするなど地域一体で「観光」に力を入れてきました。

直江津駅前商店街振興組合 重原稔 専務理事
「えちごトキめき鉄道になってイベントへの出店を積極的にしてくれた。1番にぎやかな時期、高度成長期やバブルの時代からは（イベント）減っているが、そのあとから考えると今一生懸命やらなければ」

この10年の間、7年前には「上越市立水族博物館うみがたり」、5年前には世界最大級の売場面積を誇る「無印良品 直江津」がオープンしました。組合ではこうした出来事を追い風ととらえ、うみがたりや無印良品と連携したまちづくりを進めています。

直江津駅前商店街振興組合 重原稔 専務理事
「外の人たちが直江津を魅力的に感じて投資をしてくれている。われわれもそこに引っ張られて一緒になってまちづくりができている。力強い仲間として連携もできている。オール直江津でやっているので、このまちをみんなで残したい、盛り上げたいという機運が高まっている」

駅前にある創業120年以上の老舗、「ホテルハイマート」です。ホテルに併設するレストランを運営しています。「はくたか」が廃止されたあと、ホテルの宿泊客数に大きな変化は見られませんでしたが、レストランは利用者が減り、ランチとディナーの間を休むなど営業時間を減らしました。

ホテルハイマート 山崎敬一 代表取締役社長
「レストランを待ち合いスペースとして利用する人が当時はいたが、少なくなった。お客様の変化を見ながら1年間過ごした結果、これはしょうがないことだと営業時間を変えた」

ハイマートでは駅弁の販売も手掛け、特急「はくたか」で車内販売していました。北陸新幹線でも車内販売をしていましたが、開業からおよそ4年後、JRが車内販売の商品を見直した結果、なくなりました。一方で新しく販売を始めたのが東京駅の構内です。駅弁を毎日90個ほど上越妙高駅から北陸新幹線で東京駅に運んでいます。

ホテルハイマート 山崎敬一 代表取締役社長
「ホテルハイマート、上越の駅弁を（東京駅で）知ってもらえることはプラス。（販路拡大）上越妙高駅ができたからこそ」

上越妙高駅の開業で交通手段や人の流れが大きく変わるなか、直江津地区の人たちは地域の結束を強めたり、新たな挑戦を続けたりして活路を見出します。

ホテルハイマート 山崎敬一 代表取締役社長
「地域の人たちと助け合わないとできない業種、地域性だと思う。Win-Winの関係でなければ」

直江津駅前商店街振興組合 重原稔 専務理事
「もっと新しいことで直江津の魅力を知ってもらえる事業や取り組みをしたい。ぜひ直江津に来てもらいたい」